茨城寺社巡礼    040

長興寺(かすみがうら市) 制作:(一財)茨城県郷土文化振興財団


本尊の釈迦如来像は禅定印で両手を重ねて親指の先を軽く触れ
仏の悟りの境地を示している


羅漢は仏道の最高の修行者。笑ったり、内緒話をしたり、滑稽な像もある。
多い所では五百羅漢といい、幸福をもたらす信仰になっている


 

 
幸福をもたらす五百羅漢
羅漢像で埋まる境内
 長興寺はかすみがうら市中志筑にある曹洞宗の寺です。境内には羅漢の石像がたくさん安置されています。羅漢は仏道の最高の修行者です。笑ったり、内緒話をしたり、滑稽な像もあります。多い所では五百羅漢といい、幸福をもたらす信仰になっています。長興寺では、石造の羅漢像を現在も彫り続けています。
 鳳林山といい、慶長七(一六〇二)年に出羽国より本堂氏を慕って、中志筑に来た竜山和尚によって開山されました。本堂氏は出羽国から、この地に移封され、その時、長興寺も移されました。
 本堂は貞享元(一六八四)年十二月三日に建立されたもので、雲外瑞良和尚の時でした。当初は茅葺きでしたが、昭和三十六(一九六一)年一月、瓦葺にしました。
 本尊は曹洞宗の所依の本尊の釈迦如来坐像で、釈迦は「シャーキャ」の音読みです。釈迦牟尼(しゃかむに)ともいい、「シャーキャ族の聖者」の意味です。釈尊(しゃくすん)というのは、釈迦牟尼世尊を略したものです。

お釈迦さんの寺
 長興寺の釈迦如来像は禅定印で両手を重ねて親指の先を軽く触れています。仏の悟りの境地を示しています。
 本堂氏は長興寺を菩提寺として、寺領五十石を寄進して発展を願ったと言われています。現在、本堂氏の墓地として、整備されています。ここには、古い寺があったようで、本堂氏が曹洞宗として再建したという伝承もあります。本堂は禅宗形式の代表的なもので、帯戸は山形杉で作られていて、その歴史を伝えています。
 本堂氏が寄進したという絹本著色釈迦涅槃曼荼羅は昭和四十一(一九六六)年三月、県の文化財に指定されています。縦百五十八㌢、横百二十三㌢。釈迦が希連禅河(きれんぜんが)のほとりの沙羅双樹(さらそうじゅ)の林で静かに世を去る情景を描いています。
 頭を北枕にして横たわり、弟子・大臣・諸天、鳥獣が悲しんでいます。上のほうには、摩耶夫人の姿が見えます。室町時代(一三三八~一五七三)の作と思われます。

豊富な仏像
 四月八日の花祭は、降誕会、灌仏会といい、釈迦の誕生日です。長興寺には朝鮮伝来の誕生仏があります。釈迦は誕生してすぐに立ちあがり、「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」と言ったそうです。意味は「天にも地にも我は最尊なるもの」です。
 長興寺にはたくさんの仏像や僧侶の像があります。不動明王三尊像は、廃寺になった華蔵院から移されたもので、二童子を引き連れています。不動明王は剣と絹索(縄)を持ち、憤怒相をとっています。
 境内には奉納された灯篭もたくさんあり、鐘楼と梵鐘も再建され、多くの人たちの協力の姿がみられます。




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