茨城寺社巡礼    033

常陸国総社宮(石岡市) 巡礼者 今瀬 文也



全町内の獅子屋台、山車三十数台が市内を練り歩く

 

常陸国総社宮は常陸の総鎮守といわれている



 
大祭は関東三大祭の一つ
 
常陸国の総鎮守
 常陸国総社宮は常陸の総鎮守といわれ、古代には国司になるとまず、国内の諸社への参拝を省略し当社を参拝したといいます。
 創建は天平年間(七二九~四九)といわれ、天神地祇(てんしんちぎ・天上・国土の神)である伊邪那岐尊、大国主尊、素盞鳴尊、瓊々杵尊ににぎのみこと、大宮比売尊、布留大神を祀り、六所の宮と呼ばれていましたが、その後、総社となりました。
 本殿は流造、銅板葺き三間四方で、ほかに拝殿、随神門、手水舎、神庫、社務所があります。境内社として稲荷(五穀豊穣)、厳島、松尾(醸造繁盛)、愛染(染物業繁盛)、愛宕(火伏せ)、八坂、星の宮、十二社、神武天皇遥拝所の各社があります。

□貴重な文化財
 神社には貴重な文化財があります。「総社神社文書」は治承三(一一七九)年から天保時代におよぶものです。その中の「常陸国惣社造営注文案」(案は写し)は治承三年のもので、造営にあたって筑波社などの神社、片野郷などのムラ、豪族の負担について書かれています。 
 「三十六歌仙絵馬」は文亀二(一五〇二)年、小川城主薗部氏の女(むすめ)千代益が奉納したもので、裏書に「奉寄進於大明神御宝前 三十六仁歌仙御事 願主 藤原氏女千代益」とあり、茨城県の三十六歌仙研究に貴重な絵馬です。
 軍扇は三点あります。太田道灌の軍扇は永享年間(一四二九~四〇)、入野左衛門就景のほうは天文十八(一五四九)年、そして佐竹義宣が天正十八(一五九〇)年に、戦勝祈願として奉納しています。
 御利益としては、学業成就、安産祈願、家内安全、商売繁盛、五穀豊穣などがあり、多くの人たちに信仰されています。神社の清砂、神水を受けて、それを持ち帰り神棚や氏神に供える風習もあり、県内はもとより、栃木県、群馬県、埼玉県、東京都からの参拝があります。

大獅子が祭りの花形
 今年の総社宮の祭は九月十六日から十八日の三日間で、関東三大祭の一つに数えられ、江戸時代の中頃から盛んになりました。神楽が五穀豊穣、無病息災を祈願、獅子が病魔の退散を祈り、おはやしが子孫繁栄を願ってくれます。九月十七日の大祭はとくに、全町内の獅子屋台、山車三十数台が市内を練り歩きます。その前日が神幸祭で、神輿が年番所の仮殿に出ますが、この日も土橋の獅子が露払いとして出ます。
 九月十八日は還幸祭で、仮殿から神輿が本社へ戻り、祭が終わります。このお祭の石岡囃子には、ひょっとこ踊り、おかめ踊り、きつね踊りなどがあり、稲作の収穫と、繁栄を祈ったもので、獅子舞と合わせ、県の無形民俗文化財に指定されています。
 参加町内は明治三十五(一九〇二)年八月二十九日に年番制度が実施されました。その順序は、守木、大小路、土橋、金丸、守横、富田、仲之内、宮下、青木、幸町、国分、若松、泉町、中町、香丸で、元は木の内も入っていましたが、小町内のため昭和二十七(一九五二)年から参加しません。
 祭礼はほかに、歳旦祭、節分祭、祖霊祭(三月二十一日)、八坂神社祭(旧六月十三・十四日)夏越大祓(六月三十日)、七五三祭、新嘗祭(十二月六日)大祓(古神札焼納祭・十二月三十一日)などが行われます。

慶龍寺(つくば市)(032)    北斗寺(つくば市)(033)