徳一が歩く         雨引山楽法寺(82)                                  
                                                 (財)茨城県郷土文化振興財団



石段を登ると大きな仁王門が迎えてくれる


本堂、鐘楼堂、仁王門、多宝塔、東照宮など境内には多くの建物がある
   常陸なる仏の山をうち越えて雨引山に参詣
 雨引山に行きました。寺博士の案内です。昔、訪れたような気もします。用明天皇の時代(583~87)に創建されたので、私が筑波に来た時、寺は建っていました。
 山号は雨引山、院号は阿弥陀院、本尊は延命観音、脇立が不動明王と毘沙門天です。開山の独守居士は中国の人で、宗旨は不明、その後、法相宗になり、天台宗、真言律宗を経て、応永二十一年(1414)吽永の時代、寺が再興され、この時、真言宗になったようです。
 法相宗の時代もあったので、私との関係もなくはないでしょう、十世の宥円の記録には雨引山延命寺地蔵院と小瓦山楽法寺阿弥陀院という別々の寺がありましたが、一緒になって雨引山楽法寺となりました。小瓦山は七堂伽藍があり、本尊は阿弥陀如来でした。楽法寺の古い須弥壇高欄の墨書に「永正十三年(1521)丙子八月四日雨引山延命寺本願俊澄」とあり、本願別当出羽長井山住也とあります。
 坂東三十三観音霊場第二十四番札所で、「帰命頂礼、常陸なる仏の山を、うち越えて雨引山に参詣する、ほどなくお山にかかるには、山は八町登り口には不動さん、登りつめれば仁王門、ほどなく本尊へ参詣す。本尊延命観世音、われを念ずる人には難産さらになかりけり…」
 境内には多くの建物があります。本堂、鐘楼堂、仁王門、多宝塔、東照宮が県の文化財、本尊と前立の観音像は国の文化財、不動明王、多数の絹本著色、大般若経は県の文化財指定。今は不定期になりましたが、マダラ鬼神祭があり、鬼の面をつけた鬼たちが護摩木のまわりを踊ります。
 この雨引山は旧本木村で延享四年(1747)の家数は174軒、人数723人、それらの人たちによって、村も賑わい、十軒の旅館もありました。
 
【メモ】
 雨引山楽法寺
 真言宗豊山派
 本尊 延命観音菩薩立像
 桜川市本木雨引一
 電話 0296(58)5009


県指定文化財木造不動明王立像


坂東三十三観音霊場第二十四番札所にもなっている


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