![]() (財)茨城県郷土文化振興財団 |
![]() 、勿来の町が一望される ![]() 目指すは仏具山観音堂は見つからず |
仏具山 鈴のひびきに 松風の音 「これから難儀しますよ。場所が分からない所もあります。一二〇〇年前の記憶では」と寺博士に言われました。 富沢観音の川部町から仏具山観音へ向かいました。長い四時トンネルを抜け、川平大橋を渡りました。仏具山は国道二八九号線から入ります。森の駅で一休み、寺博士は、自家製饅頭が食べたかったようです。カメラ君はどう行ったらよいか、道順を聞いていました。そして仏具山に向いました。目指すは仏具山観音堂です。 仏具山は標高六七一メートルで、その頂上に観音堂があり、後に中腹へ移したそうで、私が観音像を刻んで安置したといいます。また弘法さんが、山中に仏具を納めたといいます。そんなことから、仏具山になり、観音様は、磐城三十三観音の第九番として信仰されて来ました。 「この観音様が一番険しい所ですね」と寺博士は言いました。 仏具山観音堂は明治三十一年(1898)の火災で焼失しました。その時、聖観音菩薩像も焼けたそうです。大正十四年(1925)になって、現在の観音堂が再建され、観音像もその時の奉納です。像嵩は六十センチで聖観音菩薩立像です。 登山道は舗装してあるので、小型車なら走れます。杉の木がよく手入れされ、伐りだされています。途中、勿来の町が一望され、カメラ君が撮影していました。 頂上に今少しという所で、車がこれ以上は無理ということで、下山しました。頂上は通信施設があり、360度見渡せます。三角点の置かれた場所からの太平洋の眺めは格別です。頂上から北東へ100メートルの所には「眺望の峰」があり絶好の場所です。 「はるばると 登りて聞けば 仏具山 鈴のひびきに 松風の音」の御詠歌を唱えながら仏具観音堂の方を眺めました。
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![]() 聖観音菩薩立像 |
![]() 杉の木がよく手入れされ、伐りだされている |
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