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![]() 薬師堂。薬師如来立像は秘仏のため、三十三年に一度の開帳 ![]() 薬師堂と本堂の間に国指定史跡の舎利石塔石龕がある |
盆には新盆の家を回り、念仏踊りをする 福島県石川郡玉川村に来ました。現在の人口は六千九百人、阿武隈山系の西斜面にあり、紅葉がきれいでした。 寺博士の案内で、大同年間に私が建てたという南須釜の東福寺に来ました。現在は真言宗智山派の寺です。御住職に案内を依頼すると、私のことは記録にないとのことてした。 本堂は新築したばかりで、本尊は大日如来です。薬師堂はいたみが激しく心配です。内陣と外陣に分かれ、薬師如来立像は像高三十三センチ、秘仏のため、三十三年に一度の開帳といいます。虫食いが一番心配です。日光・月光の両菩薩像と十二神将も安置されています。可児と会津と合わせ三薬師といいます。 格天井は色があせておりました。外陣には絵馬などが数枚見られました。「寺の本堂よりも薬師堂を何とかしななくては」と寺博士は心配していました。 薬師堂と本堂の間に国指定史跡の舎利石塔石龕があります。高さ百八十センチ、宝珠露盤を置いた屋蓋と塔身と台座から出来ています。正面は扉造りで、周辺には弥勒浄土四十九院の名が刻まれています。元久二年(一二〇五)乙丑の銘があり、当寺を真言宗として開山した和尚の舎利を納め、その後、代々の住職の舎利も納められています。 この地区には玉川の少女念仏踊りがあり、その歴史を示すものとして、東福寺境内に「寛延元辰(一七四八)九月吉日念仏供養結衆敬白」があります。毎年、四月三日の薬師如来大祭と盆の八月十四日に踊ります。盆には新盆の家を回り、念仏踊りをします。 念仏踊りは、大正四年(一九一五)で中断し、昭和二十七年(一九五二)に復活したそうです。踊り子は十二、三歳までの少女で、春は振袖、夏は浴衣で踊ります。昭和五十年、(一九七五)県の無形文化財に指定されています。「春か夏に念仏踊りを見に来たいですね」と寺博士と話ました。
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![]() 代々の住職の舎利も納められている |
![]() 本堂 |
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