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![]() 、真言宗の寺で、滝泉山日向院と号している ![]() 大日如来坐像が本尊で厨子に納められている |
大日如来は密教の主尊で宇宙の根本 寺博士と歩き始めてから二年になりました。私は健脚ですが、現代人は車で移動するので、歩くのは苦痛です。今日も私が開いたといういわき市渡辺町の清谷寺(せいこくじ)に来ました。現在、真言宗の寺で、滝泉山日向院と号しています。 大同年間(八〇六~八〇九)に私が開山したという説と、それから六〇〇年後開基の説とがあります。現在、無住で行事や葬祭の時だけ住職が見えるようです。 像高二十四センチの大日如来坐像が本尊で厨子に納められています。大日如来は密教の主尊で宇宙の根本仏とされています。すべての神仏、生物の現象を包摂しています。そのほか数体の仏像が安置されています。 境内には不動堂があり、不動明王坐像が安置されています。台座に「元禄二年(一六八〇)十二月宥堂入山台座つき…」の墨書があります。不動明王は厨子に入り、所定の脇侍ではないが、赤と青に彩色された仏像二体が安置されています。厨子の天井には花鳥入り獣と幽霊図が描かれています。 不動堂の天井にも花鳥と動物が描かれた格(ごう)天井です。そして欄間には瑞鳥の彫刻が見られます。全体的に不動堂はいたみが激しく改築される時期です。 かつては、この不動尊が信仰の中心のようで、不動堂修築の棟札があり、それには、文久四年(一八六四)とあります。無住なので、保存がどうなっているのか心配です。 縁起を見ると、天正二年(一五七四)十月銘の経笈(きょうきゅう)があり、笈の背に、拾羅刈女・三十番神と住職名があります。この笈には薄い銅版が張ってあり、線彫りされた部舎利塔や蓮の花が描かれているそうです。 時代が変わり、最近は布教に歩く修行僧の姿は見られなくなりました。「寺博士は私と一緒に歩いているので、修行僧の役割をしています」。寺博士に御利益があるでしょう。
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![]() 不動堂は花鳥と動物が描かれた格天井 |
![]() かつては、この不動尊が信仰の中心のようだった |
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