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![]() 御免橋を渡って行くと山門に出る ![]() 十一面観世音 |
寺博士、芥川賞作家に会う 福島県三春町を歩いています。磐城と会津には私ゆかりの寺が数多くあるのに、三春から郡山にかけては空白地帯が続きます。 そこで臨済宗の慧雲山福聚寺に寄りました。玄侑宗久(げんゆうそうきゆう)住職は平成13年『中陰の花』で芥川賞を受賞した作家です。寺博士は作家と会えて満足していました。 最近出版した『無常という力―「方丈記」に学ぶ心の在り方』を博士は読んできたといいます。『方丈記』は私たちの心に響く言葉が多いことに驚いたのです。今の状況にしっくりくる書物といっています。「諸行無常」「諸法無我」「涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)」などについて書かれています。800年前のことが、今の時代に合っているのです。平安時代末期に私はおりませんでしたが、天災が多く、政治もうまく機能しませんでした。 この福聚寺は『三春町史2』によると、私の3世の弟子金耀(こんよ)が開いたとあるので訪ねたのですが、住職さんは、これは伝説と言います。 暦応2年(1339)に復庵宗己(1279~1358)が開山、田村輝定の開基で、最初は安積郡福原に堂宇を建てたそうです。そして、永正元年(1504)に田村義顕が現在地に移したのが由緒で、福聚寺は田村家一色です。戦国時代に田村氏は三春を支配しました。義顕・隆顕・清顕を田村3代と呼んで、墓所もあり有名です。 現在、震災で被災した寺の本堂などの大修理が行われています。境内には大きなシダレ桜があります。私とは関係がないようですが、寺博士と相談して、『徳一が歩く』で紹介しました。玄侑住職は、『方丈記』の原文と現代語訳を本書に載せました。 「だいたい、原発を稼働してまで作った大量の電力で何をしてきたというのでしょう。菊が一年中祭壇に飾られ、真冬がイチゴの大量出荷時期になったように、旬をわからなくさせただけではありませんか」『無常という力』
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![]() 十一面観世音御堂 |
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![]() ![]() 「当寺は田村氏」と答えてくれた玄侑宗久氏 |
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