徳一が歩く   相応寺(58)                                    (財)茨城県郷土文化振興財団


本堂前のシダレ桜。桜の季節に来たかった
位牌堂に安置されている徳一坐像
  
     位牌堂の徳一坐像とシダレ桜
 ⑰相応寺(福島県安達郡大玉村)
位牌堂の徳一坐像とシダレ桜

 福島県安達郡大玉村の相応寺に来ました。現在は新義真言宗ですが、私が大同2年(807)、安達太良(あだたら)山麓の眉岳(龍ケ岳)に開き、500年続いたそうです。しかし、高山なので、野火のため、何度も焼け、応永年間(1394~1428)亀山に移り、永禄3年(1560)現在地に移りました。
 御住職から徳一像がありますと言われ、寺博士は満足顔でした。本堂の本尊大日如来と不動尊を参拝、その隣室の位牌堂に入りました。そこに私の坐像がありました。像は如来とも思われ、頭は後からのようです。本堂の左側には文明13年(1481)建立の薬師堂があり、宝徳4年(1452)作の薬師如来像と脇侍の日光・月光両菩薩像と十二神将が安置されていました。
 本堂前のシダレ桜の推定樹齢は350年、エドヒガン系のベニシダレ、樹高13.5㍍、幹周2.6㍍、枝張りの東西15.3㍍、南北14.1㍍で、大玉村天然物文化財、福島県緑の文化財と説明板がありました。桜の季節にもう一度来てみたいものです。
 「安達太良の御山の里の不動尊滝にうたれて祈る巡礼」が東北三十六不動尊霊場31 番の御詠歌です。
 相応寺から遠藤ケ滝へ行きます。遊歩道があり福島の遊歩道50選の一つです。これには伝説があります。平安時代の遠藤武者盛遠が袈裟御前に恋をして破れ、出家して文覚となり、ここの滝で修行し、それが滝の名になり遠藤ケ滝不動尊になったそうです。
 ここには、私の石造と文覚上人の石造布像があります。杉田川が流れ、木の橋があり、三日月滝は最高の眺めです。
 寺博士の話によると、この安達太良山は高村光太郎夫人の智恵子さんの故郷で、「智恵子抄」の作品があるとのことです。今日も私の去ったあとの福島の寺を歩きました。寺博士との二人三脚楽しいものです。
  
【メモ】
安達太良山遍明院相応寺
〒969-1302
福島県安達郡大玉村玉井字南町188
電話0243-48-2420
▼宗派 新義真言宗
▼本尊 大日如来 不動明王
▼文化財 薬師如来三尊像(大玉村指定)
▼東北三十六不動尊霊場 31番札所
 


薬師堂


県道を突き当たった所にある山門


 

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