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![]() 会津唯一の塔の三重塔、文殊菩薩を本尊としている ![]() 本堂の拝殿 |
会津唯一の塔建築 三重塔 「徳一さん、会津はどこへ行っても歴史のある寺ばかりですね。今日は天台宗の法用寺です」 まず、仁王門です。雀林地区に伝わる正月行事「へびの御年始」に使われる藁で作った蛇の御神体がまつられています。仁王門を入ると右手に文明6年(1471)の銘のある銅鐘は県文化財です。養老4年(720)得道(とくどう)上人が開基して十一面観音像を安置し、私が大同年間に再興したと言われています。 観音堂は明和5年(1768)の建立と推定しています。方5間の県内で最大の観音堂で、堂内には、国指定文化財の「法用寺本堂厨子及び仏壇」には正和3年(1314)の棟札があります。金剛力士像は、国指定文化財なので本堂にあります。平安後期の欅の一木造りで、滋賀県の善水寺と並んで、一番古いものだそうです。 木造十一面観音立像2体は県指定文化財で桂と欅の2体です。どちらも一木で、桂が像高147.5㌢、欅が154.5㌢です。年代は藤原前期といいますが、分かりません。県指定文化財の得道上人坐像もあります。寄木造、玉願入りで像高87.5㌢、黒漆仕上げです。 「十一面観音板木」も県指定文化財で板に「雷電山法用寺御正体」「応永四年(1397)丁丑二月九日」とあります。三重塔は文殊菩薩を本尊とし、会津唯一の塔で安永年間(1772~81)の再建です。 観音堂の北側にある「虎の尾桜」は会津五桜の一つ。パラパラした八重で淡紅色の珍花を付ける特殊な構造をしていて、私が植えたことになっています。今は何代目でしょう。なお境内には啄木歌碑「敵として憎しみ友とやや長く手を握りき わかれといふに」があります。また、「御氷餅搗阯(おこおりもちつきあと)」があり、ここで献上用の氷餅を村民が作りました。 本当に文化財のたくさんあるのには驚きました。しかし、現在無住です。寺博士に寺男になってもらえばと勧めました。
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![]() 「虎の尾桜」がある境内 |
![]() 「へびの御年始」に使われる藁で作った約7㍍の 蛇の仁王門にまつられている |
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