
新しく建てられた本堂

旧本堂には「奉納札所」がたくさんはられていた
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法田とや 実りの種を 春として 歩みの種は秋をまつらん
毎日歩いていると、自分が1200年前の人間ということが分からなくなりました。寺博士は、1300前に勅命で編纂された「風土記」に関心が深いようで、『磐城国風土記』があればなと嘆いています。。今日は慈雲山清浄光院法田寺のある、いわき市山田町に来ました。現在真言宗の智山派です。
この寺も大同年間(806~9)の創建です。私の創建とか、不詳との説がありますが、寺博士は「徳一さんの創建と思います」というので、住職さんが留守のため近くの人に話しかけたら、「徳一さんの寺です」と聞かされほっとしました。
本尊は金銅の地蔵菩薩立像で54㌢、縁起によると厨子の裏に「天保四年(1833)十一月吉日奥州岩城菊多郡法田村法田寺什物現住慶延」と書かれ、本堂の梁には、厨子造作寄附覚(天保三年)本尊寄附覚(天保四年)それに寄附者名が書かれています。
これ以外は余り分かりませんが、やはり、本堂の向かって右側に観音堂があります。磐城三十三観音札所の第7番で、本尊は木造千手観音像で扉を開いても胸部と腹部しか見られない大きな像です。
この観音堂の欄間の裏の墨書に、「武州大伝馬町西村茂兵衛為二親成大菩提寄進享保庚子八月四日」とあります。享保5年(1720)のものです。欄間の彫刻も多く立派な観音堂ですが、退色が目立っています。厨子の前には大数珠があるので、念仏講があり、数珠繰りも行われたのでしょう。
この観音札所を全部歩きたいと、寺博士に言っていますが、最近、疲れが出ているようです。それでも、私の名が出てくると喜んでくれます。
「法田とや 実りの種を 春として 歩みの種は秋をまつらん」が御詠歌です。
実りある人生になるよう寺博士は祈っていました。観音堂の前には大イチョウがあり、黄葉も終わり散っていました。
【メモ】
慈雲山清浄光院法田寺
〒974-8241
福島県いわき市山田町仁井谷13
電話0246-63-0073
【宗派】真言宗智山派
【本尊】金銅地蔵菩薩立像
磐城三十三観音7番札所/法田観音(千手観音) |
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