ウナギのいるお寺と弁天沼
「今日はウナギのいるお寺に行きます」と寺博士に誘われました。いわき市にある天光山密蔵院賢沼寺という真言宗智山派の寺です。私が大同2年(807)に訪れ、弁財天を祀ったそうで、その後、弘法さんの傘下に入っています。
永享3年(1431)、現在地に大和国から光蔵律師が見え、弁天堂を移しました。奥の院は延享4年(1747)平城主内藤備後守が造営したそうです。それぞれ修理され、現在の形になりました。
山門は解説板をみると仁安3年(1168)とあるので、寺博士は驚いていました。2階建ての立派なもので、彫刻は左甚五郎作と書いてあり、いわき市の指定文化財です。仁王像は戦うポーズをとっています。また、文化6年(1809)の建立の浮見堂があります。
この弁天堂の前の沼が賢沼で、堀の内弁天沼ともいい、底がなく干し上がることはないそうです。長径200㍍、短径70㍍、水深は深い所で5㍍、水量は5万㌧、面積104㌃です。
昭和30年(1955)頃までは水質もよく、大ウナギの姿がみられていましたが、周辺の開発で透明度が低下、プランクトンの異常発生もあり、現在、本格的に水質浄化活動を展開しています。
東日本大震災で、魚見堂は沼に浮き、護岸も崩れ、修理の費用はもちろん、材料の不足で修理も出来ないと博士は住職と話していました。
この沼のウナギはもちろん、鯉なども殺生が禁止されています。それに、漁師たちがウナギの餌として、魚を沼に奉納したらしく、ウナギは巨大化していたそうです。
私は僧侶ですからウナギは食べませんが寺博士はウナギが大好きで、よく食べたいといっています。今回、ウナギの姿は見られませんでした。
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