多くの文化財と美しい本堂
私は奈良から常陸・奥州を目指して来ました。筑波山が見えた時は感動しました。筑波山の話しは後にして、現在天台宗になっている月山寺に行ってみました。寺博士は以前、よく訪れたそうです。
月山寺には私の木彫があります。今回、これを見るのを楽しみにしていました。製作者はどなたなのか、当時の私なのでしょうね。
ほかの寺は、私が去った後、すぐ天台宗になっていますが、13代続き橋本村に住み、1430(永享2)年、磯部に移り、天台宗になったと聞き、私は大変嬉しく思いました。1615(元和元)年に西小塙に移ったそうです。しかし、1636(寛永13)年に焼失、現在地に再建したと伺いました。この時、関東檀林になり、将軍秀忠公から10万石、朱印地60石を賜ったのですから、寺院も大切にされました。
とにかく、1200年の時が流れており、いろいろの事があったようです。前住職の光栄純秀師と寺博士は親交があり、若くして亡くなり残念だと話していました。
本堂は、桁行11間、梁間6間の入母屋造り、銅板葺きで障子張りが美しく、この日、弟子たちが障子張りをしていました。庫裡・山門・書院・客殿なども歴史を伝えています。それに最近、二宮町から移築された観音堂が目立っていました。
文化財も国指定の網代笈をはじめ、法華教・五鈷鈴・角盥(木製漆塗)・絹本著色曼荼羅・同両界曼荼羅・薬師如来像(本尊)その他文化財が多く、その一部は、美術館で公開していました。これは素晴らしい発想だと思いました。
門の入口に「禁於境内錫杖振事」とあります。私も錫杖をもって歩きました。ここでは境内で錫杖を振ってはいけないという、タヌキの伝説があります。私の開いた月山寺、見事なものです。帰りには常陸七福神の布袋尊が見送ってくれました。
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