財団評議員の本堂清さん、『河童物語』(画と文)批評社より刊行
 
 

 わが国の古今東西から渉猟した伝説、史料をもとに、「河童の存在を改めて見直してみた」という『河童物語』(批評社刊)が、土浦市在住の本堂清さん(84)=財団評議員=の画と文により刊行された。

『土浦町内ものがたり』(常陽新聞社刊)、『私本常陸太平記』(筑波書林刊)など著作がある本堂さん、軽妙な文体は相変わらずだが、民俗学の造詣を踏まえて短いエピソード仕立てで本編を組み立てた。とにかく見開きページに必ず1枚の挿絵がカラーで入る絵本のような作りで、読みやすい。

 内容は、①河童についてのプロローグ②河童のキャラクターいろいろ③河童伝説④柳田國男の「遠野物語」から⑤河童の独り言⑥天狗の話⑦河童と大相撲―の構成。さまざまの切り口から、わが国の津々浦々に出没してきた河童の正体を詳細に描き出していくスタイルだ。

 河童発祥の地とされる九州地方の伝来をはじめ全国から物語が集められているが、筆者の地元である茨城県各地の話は特に丹念に拾っている。利根町の禰々子(ねねこ)姉御、牛久の小川芋銭(うせん)が好んで描いた河童図、小美玉市与沢の七郎河童、土浦市佐野子の萬蔵寺に伝わる河童の手などである。

 そんななか、本堂さん自身の今回のおすすめは、河童と相撲の話という。

相撲の語源は、すまう(住まう)である。…地面を円形に掘り窪めて、床になる地面の荒魂を鎮めるため、地面を足踏みして固めた。…地固めは二人が組んで行った。これが角力の遊戯となって「すもい」とよんだ。(相撲の起源とエトセトラ)

 なるほど、河童好きと相撲ファンは残った残った。

(A5判184ページ、定価2000円=消費税別)


 
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